「ご相談があります。少しお時間いただけますか。実は・・・」こんな風に声をかけられ、パワハラや、セクハラの訴えがあったとしたら。

「まさかうちの会社で」「あの人がそんなことを」と動揺されるかもしれません。しかし、ここで最も気をつけなければならないのは「対応を誤り、問題をこじらせてしまうこと」です。ハラスメント事案が発生したとき、会社としてリスクを回避する対処の流れとポイントを解説します。

1.丁寧に話を聞く

できるだけ早く対応する

 初動対応はとても重要です。相談対応を後回しにしたり、放置したりする言動は避けましょう。仕事の都合ですぐ対応することが難しい場合は、具体的に面談日程の提示をすることも有効です。迅速な対応をとらないと、相談者が「自分の訴えは軽視されている」と感じて不信感を募らせたり、会社として安全配慮義務(★)違反に問われる原因にもなります。

最もNGな対応は、対応を後回しにしたり、放置することです。放置は、会社がハラスメントを容認したとみなされるリスクがあります。

★安全配慮義務:従業員の生命・身体・健康を守るため、安全で健康に働ける職場環境を整備し、必要な配慮をしなければならない、という会社が負っている義務のこと。

先入観を捨て、公正・中立な態度で聞く

 相談内容を、まずは丁寧に時間をかけて「聞く」という姿勢が重要です。「悪気はないと思うよ」「気のせいじゃないかな」などのアドバイスや、個人の判断は必要ありません。重要なことは、「大変でしたね。何があったか詳しく聞かせてもらえますか」など、相談者の気持ちに寄り添いつつ、事実確認に徹する姿勢です。そして、一つ一つ記録に残すことが重要です。(場合によっては、本人の同意を得た上で録音するなど)

最もNGな対応は、その場で『それはハラスメントじゃない』などと断定や助言をすることです。

相談者本人の意向を正しく確認する

解決に向けた今後の進め方について、相談者の要望を確認する必要があります。行為者に相談者の名前を伝えてもいいのか、周囲の人へ聞き取りをしてよいのか、行為者に謝罪を求めているのか、それとも相談者本人が部署などを異動したいのかなど、事案の解決に向けた相談者の意向を確認します。ただし、これらの要望についてはその時点で約束はしません。見通しなども伝えません。ただ、その要望を正しく記録します。そして、相談者のプライバシーや人権に十分配慮して進めていく、ということを伝えます。

最もNGな対応は、相談者の意向確認しないまま、行為者や周囲の人に事情を聞くことです。

2.聞き取った話について事実確認をする

行為者とされる人への事実確認

・公正、中立に話を聞く

相談者の話が正しいと決めつけて、行為者にヒアリングすることは避けましょう。行為者の話も公平に聞き、事実関係を明らかにします。そして、行為者の意見や反論を十分に聞く必要があります。行為者にも『弁明の機会』を等しく与えることが、後のトラブルを防ぐ鍵となります。

・報復の禁止を伝える

行為者のヒアリングの際には、必ず報復を禁ずるように厳しく伝えます。行為者の言動が、ハラスメントに該当するか否かに関わらず、相談者に対して報復行動があれば、社内全体がハラスメント通報を控える状態になってしまうことを防止するためです。

周囲の関係者(相談者側・行為者側)への事実確認

相談者、行為者当事者だけではなく、周囲の人にも事実確認を行う必要があります。周囲の関係者は、相談者・行為者どちらかに偏った判断にならないよう、公平な立場の人を選ぶ必要があります。その場合も、相談者・行為者それぞれのプライバシー保護にも十分気を付けて、聞き取りを行います。

3.ハラスメントに該当するのか、しないのかを判断をする

ハラスメントに該当する場合

行為者に対して、言動がハラスメントであることを認識し、反省してもらうよう話をします。行為者がハラスメントを認めず否定することもあるでしょう。その場合は、なぜハラスメントに当たると判断したのか、根拠を示すことも必要になります。

ハラスメントと言われたらハラスメントになる?経営者が押さえるべきハラスメントのポイント|コンパッソ社会保険労務士法人こちらにハラスメントの判断基準についての記事がありますので、参考にしてください。

会社として就業規則等の規定に基づき、行為者に対して懲戒処分等の対応を行うこともあります。 ただ、最終目的は、二度とハラスメント事案が発生しない職場環境にすることです。会社あるいは部署毎に、ハラスメント防止研修を実施するなど、再発防止に向けた取り組みを行うことも必要となります。

ハラスメントに該当しない場合

 事実調査の結果、相談者が申し立てた事実が認められない場合や、内容は事実であっても、その申立の内容・程度・状況などからハラスメントと認められない、と判断される場合もあります。その時は、相談者に対してハラスメントと認められない理由を説明する必要があります。また、ハラスメントと認められないとしても、行為者の言動に改善すべきことがあればその旨を行為者へ伝え改善を求めるとともに、相談者へも、その内容を伝えることになります。

まとめ

ハラスメント事案が発生してしまうことは会社として、決して望ましい状況ではありません。しかし、何よりも大切なことは、発生した後に、会社がそのトラブルを放置せず、迅速に対応する、ということです。「当事者の聞き取りに立ち会ってほしい」「当事者からの聞き取りをどのように判断したらよいかアドバイスが欲しい」「今後ハラスメントが起きない環境づくりがしたい」など、ご希望がございましたらご相談ください。当法人では、女性社労士の対応が可能ですので、ヒアリングの立会いなど安心してご相談いただけると思います。職場の環境整備を行って、だれもがイキイキと働ける職場づくりを目指していきましょう。

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